西洋顔料は近代日本画以前の伝統絵具と同一もしくは近い組成の顔料も含まれますが、明治以降に流通するようになった輸入顔料をルーツとする顔料です。昭和初期まではウルトラマリン顔料を「舶来群青」と呼ぶこともありました。
平均粒度が岩絵具の極細目(12番~白)にあたり、伸びが良い上に、鮮やかな発色が得られることから、岩絵具の下塗りや本画の仕上にまで幅広く使用されています。
「仁王捉鬼図」(狩野芳崖・1886年・紙本彩色)の鮮やかであふれるような色彩には、アーネスト・F・フェノロサがヨーロッパから取り寄せた顔料が使用されており、近代日本画に西洋顔料を普及させるきっかけを作ったと云われています。